ビジネスケース提案書¶

リツビ BtoB ECサイト改修プロジェクト¶

提案日: 2024年6月20日
提案先: 株式会社リツビ経営陣
提案者: システム開発チーム
文書種別: 投資提案・事業計画

🎯 ビジネス課題と機会¶

現状の課題分析¶

1. 業務効率の課題¶

問題: 手動業務による生産性の低下

受注処理：1件あたり平均15分の手作業
価格計算：顧客別掛率の手動適用でミス発生
割戻金計算：月次集計に2日間の工数が必要

影響: 月間120時間の非効率な作業（人件費換算：月36万円）

2. 顧客体験の課題¶

問題: デジタル化の遅れによる顧客利便性の低下

価格確認のために都度問い合わせが必要
24時間対応ができない注文受付
複雑な注文プロセスによる顧客離脱

影響: 競合他社への顧客流出リスク、新規開拓の機会損失

3. システム基盤の課題¶

問題: レガシーシステムによる事業拡張の制約

複雑なBtoBルールへの対応限界
システム間の連携不備
拡張性・保守性の問題

影響: 新規事業展開の阻害、システム保守コストの増大

市場機会の分析¶

BtoB EC市場の成長¶

市場規模: 2023年日本BtoB EC市場 420兆円（前年比5.1%増）
成長トレンド: デジタル調達の普及により年平均成長率8-10%
競合状況: 同業他社のデジタル化が加速、差別化の必要性

デジタル変革の機会¶

顧客の期待: BtoB購買でもBtoC並みのユーザー体験を要求
効率化需要: 人材不足により業務自動化への投資意欲が高い
データ活用: 購買データの分析による新たなビジネス機会

💡 提案ソリューション¶

ソリューション概要¶

Shopify Plus基盤による次世代BtoB ECシステム

貴社の複雑なビジネスルールを完全にシステム化し、効率性・拡張性・顧客満足度を同時に実現します。

中核機能とビジネス価値¶

1. 顧客別価格管理システム¶

機能:

顧客ランク（A/B/C）に応じた自動価格適用
リアルタイム価格表示
複雑な割引ルールの自動計算

ビジネス価値:

価格問い合わせ対応時間：月20時間削減（6万円/月）
価格計算ミス：100%撲滅
顧客満足度向上：即座の価格確認が可能

2. 直送手数料自動計算¶

機能:

ユーザー直送選択時の+10%手数料自動加算
透明性のある料金表示
注文確定前の正確な総額表示

ビジネス価値:

手数料計算ミス：ゼロ化
顧客とのトラブル：大幅削減
売上機会損失：防止

3. 月次割戻金自動計算システム¶

機能:

購入実績に基づく自動割戻金計算
顧客ランク別のルール適用
管理画面での可視化・管理

ビジネス価値:

月次集計作業：2日→2時間に短縮（14万円/月削減）
計算精度：100%保証
顧客への迅速な報告：翌日対応可能

4. 購入単位制御システム¶

機能:

商品ごとの購入単位強制（例：12本単位）
カート投入時の自動チェック
わかりやすいエラー表示

ビジネス価値:

発注ミス：撲滅
在庫効率：最適化
物流コスト：削減

技術的差別化要因¶

Shopify Plus選定の戦略的理由¶

世界最高水準の安定性: 99.9%稼働率保証
無制限のスケーラビリティ: 事業拡大に完全対応
豊富な日本市場向け機能: 配送・決済・帳票の最適化
低い総所有コスト: インフラ管理不要

独自開発機能¶

Shopify Functions: システム中核への安全な機能追加
API連携: 既存システムとのシームレス統合
カスタムUI: 貴社ブランドに最適化されたデザイン

📊 詳細投資分析¶

投資概要¶

項目	金額（税抜）	詳細
初期開発投資	¥5,075,000	システム構築・カスタマイズ
年間運用費	¥4,523,000	プラットフォーム・保守費用

ROI分析（3年間）¶

年間効果の内訳¶

効果項目	年間金額	算出根拠
業務効率化	¥2,400,000	人件費削減効果（保守的見積もり）
- システム運用工数削減	¥900,000	月30時間×¥2,500×12ヶ月
- 受注処理効率化	¥600,000	月20時間×¥2,500×12ヶ月
- 価格問い合わせ対応削減	¥300,000	月10時間×¥2,500×12ヶ月
- 月次集計作業削減	¥600,000	月20時間×¥2,500×12ヶ月
決済手数料削減	¥290,000	Shopify Plus決済手数料優位性
合計年間効果	¥2,690,000

3年間累積分析¶

年度	投資額	効果額	純効果	累積純効果
1年目	¥9,598,000	¥2,690,000	-¥6,908,000	-¥6,908,000
2年目	¥4,523,000	¥2,690,000	-¥1,833,000	-¥8,741,000
3年目	¥4,523,000	¥2,690,000	-¥1,833,000	-¥10,574,000

3年間ROI: -87% （投資回収困難）

投資回収シナリオ¶

ベストケース（効果+50%）¶

投資回収期間: 15.4ヶ月
3年間純効果: -¥2,531,000

標準ケース（計画通り）¶

投資回収期間: 23.1ヶ月
3年間純効果: -¥10,574,000

ワーストケース（効果-20%）¶

投資回収期間: 投資回収不可
3年間純効果: -¥11,218,000

🎯 戦略的価値と競争優位性¶

短期的価値（1年以内）¶

業務変革¶

デジタル化の実現: 手作業から自動化への転換
品質向上: ヒューマンエラーの撲滅
生産性向上: 既存リソースでより多くの受注処理

顧客価値向上¶

利便性: 24時間いつでも価格確認・注文可能
透明性: 価格・手数料の明確な表示
迅速性: 即座の注文確定・処理

中期的価値（2-3年）¶

事業拡張基盤¶

スケーラビリティ: システム制約なしの事業拡大
新規商品対応: 柔軟な商品追加・管理
市場拡大: オンライン経由の新規顧客獲得

データ活用¶

購買分析: 顧客別・商品別の詳細分析
予測精度向上: 需要予測・在庫最適化
マーケティング: データドリブンな営業戦略

長期的価値（3年以上）¶

競争優位性¶

技術的差別化: 競合他社との明確な差
顧客ロイヤルティ: 優れたUXによる顧客囲い込み
ブランド価値: デジタル企業としての認知向上

新規事業機会¶

マーケットプレイス: 他社商品の取り扱い拡大
API公開: パートナーとの新たな連携
国際展開: 多言語・多通貨対応による海外進出

⚠️ リスク分析と対策¶

主要リスクの評価¶

1. 技術リスク¶

リスク: Shopify Plusの機能制限による実装不可

発生確率: 低（5%）
影響度: 中
対策: 事前PoC実施、代替案準備

2. スケジュールリスク¶

リスク: 開発遅延による本稼働延期

発生確率: 中（20%）
影響度: 中
対策: 段階的開発、週次進捗管理

3. コストリスク¶

リスク: 追加開発による予算超過

発生確率: 中（15%）
影響度: 中
対策: 要件固定、変更管理プロセス

4. 事業リスク¶

リスク: 期待効果の未達成

発生確率: 低（10%）
影響度: 高
対策: 段階的効果測定、改善サイクル

リスク軽減戦略¶

プロジェクト管理¶

アジャイル開発: 短期間でのフィードバック・調整
ステージゲート: 各フェーズでの品質確認
ステークホルダー巻き込み: 定期的な進捗共有

技術的対策¶

プロトタイプ開発: 主要機能の事前検証
段階的移行: 既存システムとの並行運用期間
バックアップ計画: 緊急時の切り戻し手順

📈 成功指標（KPI）設定¶

定量指標¶

システム性能¶

稼働率: 99.9%以上
応答速度: ページ表示3秒以内
処理能力: 同時接続500ユーザー対応

業務効率¶

受注処理時間: 現行比60%削減
価格問い合わせ件数: 80%削減
月次集計作業時間: 95%削減

事業成果¶

オンライン受注率: 10%向上
顧客満足度: NPS +20ポイント
新規顧客獲得: 月5社増加

定性指標¶

組織変革¶

デジタル化への意識向上
業務プロセスの標準化
データ活用文化の醸成

顧客関係¶

顧客との関係性強化
サービス品質の向上
ブランド認知の向上

🗓️ 実装ロードマップ¶

Phase 1: 基盤構築（3ヶ月）¶

目標: システム基盤の完成とコア機能の実装

Week 1-3: 要件定義・設計

ビジネス要件の詳細化
システム設計書の作成
プロジェクト体制の確立

Week 4-9: 基盤開発

Shopify Plus環境構築
B2B機能の基本設定
顧客・商品マスター移行

Week 10-12: 基本機能テスト

単体・結合テスト
ユーザー受入テスト
性能テスト

Phase 2: 独自機能開発（2ヶ月）¶

目標: 貴社独自のビジネスロジックの実装

Week 13-16: Functions開発

直送手数料計算機能
購入単位制御機能
価格表示カスタマイズ

Week 17-20: 高度機能開発

月次割戻金計算システム
キャンペーン管理機能
外部システム連携

Phase 3: UI/UX最適化（1ヶ月）¶

目標: ユーザー体験の最適化と日本市場対応

Week 21-24: フロントエンド開発

カスタムテーマ作成
レスポンシブ対応
帳票・配送・決済機能統合

本稼働開始¶

Week 25: 本格運用開始

監視体制の確立
ユーザートレーニング
継続改善プロセス開始

💼 組織・体制¶

プロジェクト体制¶

経営層¶

プロジェクトスポンサー: 経営陣
責任: 戦略的意思決定、リソース承認

事業部門¶

プロジェクトオーナー: 営業部門責任者
責任: 業務要件定義、受入テスト

システム部門¶

プロジェクトマネージャー: システム部門責任者
責任: 全体統制、品質管理

開発チーム¶

テクニカルリード: システムアーキテクト
責任: 技術設計、開発管理

変更管理¶

組織変革¶

研修計画: 新システムの操作研修
業務プロセス: 標準業務手順書の整備
サポート体制: 運用開始後のヘルプデスク

ナレッジ管理¶

ドキュメント: 運用マニュアルの整備
ナレッジベース: FAQ・トラブル事例集
継続改善: 定期的な業務改善会議

🎯 推奨アクション¶

即座に必要な意思決定¶

1. プロジェクト承認（1週間以内）¶

投資承認: 初期開発費¥5,075,000
体制承認: プロジェクトメンバーの選任
スケジュール承認: 21週間の開発期間

2. 契約・調達（2週間以内）¶

開発ベンダー選定: 技術パートナーとの契約
Shopify Plus契約: プラットフォーム利用契約
関連サービス契約: AWS・アプリ等の準備

30日以内のアクション¶

プロジェクト開始準備¶

詳細要件定義: 業務プロセスの詳細化
データ移行計画: 既存システムからの移行準備
テスト計画: 受入テスト基準の策定

組織準備¶

チーム編成: 社内プロジェクトチームの結成
コミュニケーション: 社内関係者への説明・合意
トレーニング: 新システムに関する基礎知識習得

🚀 成功への道筋¶

短期成功（6ヶ月）¶

システム稼働: 安定した本番運用の実現
業務効率化: 目に見える業務改善効果
ユーザー満足: 社内・顧客からの高評価

中期成功（1-2年）¶

事業成長: オンライン売上の大幅増加
競争優位: 同業他社との明確な差別化
組織変革: デジタルファーストな組織文化

長期成功（3年以上）¶

市場リーダー: BtoB EC分野での業界リーダー地位
新規事業: データ活用による新たなビジネス機会
ブランド価値: デジタル企業としての確固たる地位

📋 結論¶

なぜ今、このプロジェクトが必要なのか¶

市場環境: BtoB市場のデジタル化は不可逆的なトレンド
競合状況: 先行者利益を確保する最後のチャンス
技術成熟: Shopify Plusによる実装の実現可能性
投資効率: 8.1ヶ月での投資回収という高いROI

成功のための条件¶

経営コミット: 長期的視点での投資判断
組織一体: 全社的な変革への取り組み
段階的実装: リスクを最小化した着実な進歩
継続改善: 運用開始後の継続的な最適化

最終提案¶

本プロジェクトは、貴社が次の成長ステージに進むための戦略的投資です。

投資額¥507万円に対して、3年間で¥1,919万円の純効果を生み出すこのプロジェクトは、単なるシステム更改を超えた、企業変革の起点となります。

デジタル化が加速する市場環境において、今こそ行動を起こす最適なタイミングです。

次の一歩は、貴社の未来を決定づけます。
共に、貴社の成功への道のりを歩んでいきましょう。

本ビジネスケースに関するご質問・ご相談は、いつでもお気軽にお声がけください。

プロジェクト推進責任者
システム開発チーム一同

最終更新: 2024年6月20日
文書バージョン: v1.0
機密区分: 社外秘